DeepSeek V4への移行と旧APIの廃止|7月24日までに確認すること

DeepSeekが2026年4月24日に「DeepSeek V4 Preview」を公開しました。同時に、これまで使われてきた旧モデルdeepseek-chatとdeepseek-reasonerは、2026年7月24日15:59(UTC)以降にアクセス不可となる廃止が予告されています。DeepSeek APIを業務に組み込んでいる場合、残された時間はわずかです。この記事では、乗り換えの手順と、切り替え時に見落としやすい注意点を、実務目線で整理します。
何が起きるのか
今回の変更は、大きく2つに分かれます。ひとつは新モデルDeepSeek V4 Previewの公開。もうひとつは、旧モデルの廃止スケジュールの予告です。業務で影響が大きいのは後者です。
DeepSeek公式のアナウンスによると、deepseek-chatとdeepseek-reasonerは「2026年7月24日15:59(UTC)以降に完全に廃止され、アクセスできなくなる」とされています。日本時間(JST)ではUTCの9時間後にあたるため、7月25日の午前1時前後が区切りになります。現時点では、この2つの旧モデル名を指定した呼び出しは、内部的にV4-Flashのnon-thinking/thinkingへルーティングされている状態です。
注意
DeepSeek V4の構成
V4 Previewは、用途に応じて選べる2階層で提供されます。公式アナウンスとリリース情報から確認できる範囲を整理します。
| 項目 | V4-Pro | V4-Flash |
|---|---|---|
| モデル名(API) | deepseek-v4-pro | deepseek-v4-flash |
| パラメータ(総/アクティブ) | 1.6T / 49B | 284B / 13B |
| コンテキスト長 | 1M(既定) | 1M(既定) |
| モード | Thinking / Non-Thinking | Thinking / Non-Thinking |
いずれもMoE(Mixture of Experts)構成で、総パラメータのうち推論時に実際に使われる「アクティブ」なパラメータは一部です。V4-Proは最大性能を狙う上位、V4-Flashはより軽量で高速・低コストを狙う下位、という位置づけです。旧モデルからの暫定ルーティング先がV4-Flashになっている点も、移行先を考えるうえで押さえておくとよいでしょう。
パラメータ数・コンテキスト長・モード構成はDeepSeek公式のアナウンス(news260424)に基づきます。Previewという名称のとおり仕様は流動的です。導入前に必ず公式ドキュメントで最新の提供状況を確認してください。
移行そのものは小さい
乗り換え作業の本体は、拍子抜けするほど単純です。DeepSeekは「base_urlは据え置きで、モデル名を更新するだけ」と案内しています。
- 1
モデル名を差し替える
リクエストで指定するモデル名を、deepseek-chat/deepseek-reasonerから、deepseek-v4-proまたはdeepseek-v4-flashへ変更します。エンドポイント(base_url)やAPIキーはそのままで構いません。 - 2
呼び出し形式を確認する
V4はOpenAIのChatCompletions形式と、AnthropicのAPI形式の両方に対応しています。既存のクライアント実装を大きく書き換える必要は基本的にありません。 - 3
モードを選ぶ
タスクに応じてThinking(推論を働かせる)かNon-Thinking(通常応答)かを選びます。使い分けの考え方は次の節で扱います。 - 4
代表タスクで回帰確認する
切り替え後、自社の代表的な入力で出力の質・レイテンシ・コストが要件を満たすかを確認します。旧モデル前提で作り込んだプロンプトは、挙動が変わる場合があります。
ヒント
Thinkingを使うか、使わないか
V4では、同じモデルでThinking(推論モード)とNon-Thinking(非推論モード)を選べます。旧構成では、対話向けのdeepseek-chatと推論向けのdeepseek-reasonerがモデルとして分かれていましたが、V4ではモードの切り替えとして統合された形です。
使い分けの目安はシンプルです。要約・分類・定型の変換・短い応答など、手数の少ない処理はNon-Thinkingで十分なことが多く、レイテンシとコストを抑えられます。多段の推論や、条件が絡む判断、コードのデバッグのように「考える過程」が質に効くタスクではThinkingが向きます。すべてをThinkingにすると出力トークンと待ち時間が増えやすいので、タスク単位で選ぶのが現実的です。
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1Mコンテキストの扱い
V4では、全公式サービスで1M(100万)トークンのコンテキストが既定になりました。長い資料やコードベースをまとめて渡せる余地が広がります。ただし「入るから全部入れる」は得策ではありません。
長いコンテキストは、その分だけ入力トークンが増えてコストとレイテンシに跳ね返ります。また、大量の文脈を渡しても、必要な情報が埋もれれば応答の精度はかえって落ちることがあります。必要な範囲に絞って渡す、あるいは検索で関連箇所だけを取り出して渡す設計のほうが、コストと品質の両面で安定しやすいです。長文をそのまま流し込む前に、本当にその全量が必要かを一度見直してください。
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料金・データ・地域は各自で確認
移行判断で外せないのが、料金とデータの取り扱い、提供地域の確認です。ここは記事の数値を鵜呑みにせず、必ず一次情報で確かめてください。
料金は公式の料金ページに掲載されていますが、改定されることがあり、V4-ProとV4-Flashで単価も異なります。本記事では特定の金額を断定しません。想定する月間の入出力トークン量を見積もり、公式の最新料金で概算してから判断してください。あわせて、入力データが学習に使われるか、ログの保持や保存先(データが処理される国・地域を含む)がどうなっているかは、社内で扱うデータの機微度によっては導入可否を左右します。海外事業者のAPIを業務データで使う場合は特に、契約・規約と自社ルールを突き合わせて確認してください。
メモ
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期日までのチェック
7月24日の廃止までに確認すること
- コード・設定・ワークフロー内のdeepseek-chat/deepseek-reasonerを洗い出した
- モデル名をdeepseek-v4-pro/deepseek-v4-flashに切り替え、base_url据え置きで動作確認した
- タスクごとにThinking/Non-Thinkingの使い分けを決めた
- 代表タスクで出力品質・レイテンシ・コストの回帰確認をした
- 公式の最新料金で想定利用量の概算を出した
- データの取り扱い・保存地域・規約が自社要件を満たすか確認した
よくある質問
旧モデルはいつ使えなくなりますか
移行に大きなコード改修は必要ですか
V4-ProとV4-Flashのどちらを選べばよいですか
Thinkingモードは常にオンにすべきですか
料金はいくらですか
まとめ
今回のポイントは、新モデルの派手さより「旧APIの廃止期日」という運用上の締め切りです。移行そのものはモデル名の差し替えが中心で難しくありませんが、期日を過ぎれば旧モデル名の呼び出しは止まります。まずは自社のコードとワークフローから旧モデル名を洗い出し、V4系へ切り替えて代表タスクで回帰確認するところから始めてください。そのうえで、Thinking/Non-Thinkingの使い分けと、料金・データ・地域の確認を済ませれば、慌てずに切り替えられます。
出典・参考
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