AnthropicがClaude Coworkとチャットを1つのClaudeに統合|「モードを選ぶ」がなくなった後、社内ルールと承認設定で見直すこと


Anthropicは2026年9月16日、Claude Coworkとチャットを1つのClaudeに統合すると発表しました。これまでは入力欄で「Chat」と「Cowork」のどちらで始めるかを利用者が選んでいましたが、新しい体験ではその選択がなくなり、依頼の内容に応じてClaudeが必要な道具を判断します。同じ日に、Claude DocsとClaude Slidesが有料プラン向けのベータとして登場し、Claude Designも会話の中から使えるようになりました。
機能が増えたというより、製品の枠が1つ減った変更です。そのため「何ができるようになったか」よりも、「これまでの前提のうち何が成り立たなくなるか」を見たほうが実務には役立ちます。とくに、社内の利用ルールを「チャットはよいがエージェント機能は申請制」のようにモード別で書いている組織は、前提そのものが変わります。この記事では、公式ブログと公式ヘルプで確認できた内容だけを使い、変わること・変わらないことを切り分けたうえで、社内ルールと承認設定の見直しどころを整理します。
Claude Coworkそのものの位置づけや、web・モバイル拡大、非同期実行については2026年7月の記事で扱っているので、ここでは繰り返しません。
何が発表されたのか
事実関係を、出どころごとに分けて確認します。
公式ブログ(2026年9月16日)
公式ブログの記事タイトルは「Claude Cowork and chat are now one Claude」で、日付は2026年9月16日です。要点は次のとおりです。
- この日から、Claude Coworkとチャットが1つのClaudeに統合され始める。ちょっとした質問でも、昼が締め切りのレポートでも同じ場所に持ち込めばよく、ノートPCを閉じた後も作業は続く
- Pro/Maxプランに向けて、web・デスクトップ・モバイルのClaudeアプリで今後数週間かけて展開する。対象は既存ユーザーと新規ユーザーの両方で、利用者側で有効化の操作は不要
- TeamプランとFreeプランは後に続く。Enterpriseの管理者には、組織に変更が入る少なくとも30日前に連絡する
- Claude DocsとClaude Slidesが新登場し、Claude Designも会話の中で動くようになった。Slidesについては、直接編集、Claudeからそのまま発表、PowerPointまたはPDFでのダウンロードができると説明されている
- この3つは有料プラン向けのベータで、Enterpriseでは管理者が有効化のタイミングを選ぶ。Claude Designを単体で使っている場合は、これまでどおり動く
- Design・Slides・Docsで作ったものは、共有可能な1つのリンクに置かれ、スマートフォンからも開ける
- Claudeの確認の頻度は選べる。既定では行動前にClaudeが確認し、任せて進めさせ、注意が要るときだけ確認を受ける設定にも切り替えられる
統合の理由について、ブログは、Coworkを大きな仕事用の場所、Designを視覚的な仕事用の場所として別々に作ったものの、利用者からは「タスクをどちらに持っていくかを決めるのが面倒だった」「片方で始めた作業がもう片方に引き継がれない」という声があった、と説明しています。
公式ヘルプ
ヘルプ記事「Claude Cowork and chat are one Claude」には、運用に関わる細部が書かれています。
- 新しい体験は段階的に展開されるため、同じプランのアカウントでも反映の時期が異なる。Pro/Maxプランで入力欄にまだ「Chat」と「Cowork」の選択肢が表示されていれば、未反映の状態
- 反映されるまでは、従来どおりチャットとClaude Coworkを使えばよい。チャット、タスク、プロジェクト、設定はアカウントの移行時に引き継がれる
- 新しい体験に切り替わったアカウントは、元の「Chat」と「Cowork」の選択に戻せない
- 入力欄の権限設定で、Claudeがどの程度独立して動くかを決める。Manual(既定)は、Claudeが操作の前に確認を求め、利用者が1つずつ許可するかを選ぶ。Autoは、各ステップで立ち止まらずに作業を続け、操作の前に自動の安全チェックが走る
- この設定はいつでも変更でき、作業中のClaudeを止めたり方向を変えたりもできる。設定は会話全体に適用される
- メッセージの送信や重要なファイルの変更のように実際の影響がある作業では、そばにいてClaudeの動きを確認するよう勧めている
なお、Team/Enterprise向けのヘルプ記事の冒頭には、TeamとEnterpriseの組織は当面チャットとClaude Coworkを現状のまま使い続ける、という注記が入っています。
注意
変わること・変わらないこと
公式ヘルプの「What's in a new place」「What happened to Claude Cowork?」の記載をもとに、切り分けます。
| 項目 | 統合後の扱い |
|---|---|
| 作業の始め方 | ChatとCoworkの選択がなくなり、同じ入力欄から依頼する。Claudeがどの道具を使うかを判断する |
| Coworkのタスク | チャットと一緒にRecentsに並ぶ。既存のCoworkタスクは以前と同じように開き、続きから作業できる |
| グローバル指示 | CoworkのGlobal instructionsは、Settings > Generalの「Instructions for Claude」に統合された。ヘルプは、意図どおりの内容になっているか確認するよう促している |
| web検索 | 切り替えのトグルがなくなり、役に立つ場面でClaudeが検索する |
| リサーチ | /deep-researchと入力するか、入力欄の下の「+」から「Research」を選ぶ |
| ファイル | Claudeが作ったファイルは会話の横に表示される。Claude Desktopでは、Coworkが成果物を保存していたフォルダは残っており、SettingsのStorage folderで確認できる。Coworkにアクセスを許可したフォルダはTrusted foldersに一覧される |
| ローカル実行タスクのメモリ | 自分のコンピュータ上だけで動いたCoworkタスクのメモリは、そのタスクに残る |
| プロジェクト・コネクタ・スキル・アーティファクト・ファイル | 引き継がれる。プロジェクトはどの会話でも使える |
| モデルの選択と「Code」タブ | これまでと同じ場所にある |
| 利用量の数え方 | Claudeで行うことはすべてプランの利用上限に数えられる。検索・コード実行・ファイル作成を伴う長いエージェント型タスクは、短い質問より多く消費するのが一般的 |
変わらない点として見落としたくないのは、ローカルのファイル、内蔵ブラウザ、コンピュータ操作(computer use。Pro/Maxプランでベータ)にClaudeが届くのは、Claude Desktopを開いている間だけ、という条件です。ファイルの完全な削除の前には既定で確認が入る、という点もヘルプに明記されています。クラウドで走り続けるタスクと、手元のPCが必要なタスクの区別は、統合後も残ります。
利用量については、ヘルプに1点注意書きがあります。展開の期間中は、新しい体験が反映済みのアカウントと未反映のアカウントで、利用量の測り方がわずかに異なる場合がある、というものです。チーム内で「同じ使い方なのに減り方が違う」という話が出たら、まずSettings > Usageで各自の状況を確認するのが先です。
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業務で効く論点1: 「チャットだから安全」という前提が崩れる
社内の利用ルールには、暗黙のうちに次のような線引きが入っていることがあります。
- チャットは文章の相談だけなので、入力情報に気をつければよい
- エージェント機能(Cowork)はファイルや外部アプリを操作するので、別枠で申請や研修を求める
この線引きは、利用者が自分でモードを選ぶ、という製品の構造に支えられていました。統合後は、同じ入力欄に書いた依頼が、短い回答で終わることもあれば、web検索、コード実行、ファイル作成、接続済みアプリの操作を伴う作業になることもあります。どちらになるかを決めるのはClaudeです。「いまはチャットを使っているだけ」という自己申告が、ルールの適用条件として機能しなくなります。
そこで、ルールの軸をモードから「操作の影響度」に移すことを勧めます。公式の安全ガイド(Use Claude Cowork safely)は、Claudeが持つ道具を2つに分けています。受信トレイを読む、画面のスクリーンショットを撮るといった読み取りツールと、予定を作る、ファイルを削除する、コマンドを実行する、画面をクリックするといった書き込みツールです。書き込みツールは望まない操作につながりうるためリスクが高く、影響の大きい場面では人による監督を推奨する、と書かれています。
この区別を借りると、ルールは次のような形に書き換えられます。
| 区分 | 例 | ルールの置き方(例) |
|---|---|---|
| 回答・下書きのみ | 質問への回答、文章の下書き、アップロードした資料の要約 | 入力してよい情報の基準を守る。出力は人が確認する |
| 読み取りを伴う作業 | 接続したドライブやメールの検索・要約、webの調査 | 接続してよいアプリと、アクセスを許可するフォルダを決めておく |
| 書き込みを伴う作業 | ファイルの作成・整理、予定の作成、フォームの入力 | Manualで実行し、対象のフォルダやアプリを限定する |
| 取り消しにくい操作 | メッセージの送信、重要ファイルの変更、購入、外部への共有 | 下書きまでをClaudeに任せ、最終操作は人が行う。スケジュール実行の対象にしない |
右列は当サイトの提案であり、公式が定めた区分ではありません。ただ、公式の安全ガイドも、スケジュール実行について「機微なファイルへのアクセス、代理でのメッセージ送信、購入など、取り消しにくい操作を予約しない」と書いており、方向はそろっています。
もう1つ押さえておきたいのがプロンプトインジェクションです。安全ガイドは、攻撃が成立するには「信頼できる範囲の外の情報をClaudeが読めること」と「利用者に害が及ぶ操作をClaudeが実行できること」の2つが同時に満たされる必要がある、と説明しています。統合によって、ふだんの会話からwebや受信メールを読み、そのまま操作まで進む経路が標準になります。接続するアプリと許可するフォルダを絞ることは、モードの区別がなくなった後のほうが、むしろ効きます。
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業務で効く論点2: ManualとAutoを、誰がどの業務で切り替えてよいか
統合後の権限設定は、入力欄にあるManualとAutoの2つです。既定はManualなので、何もしなければ操作のたびに確認が入ります。問題は、Autoへの切り替えが利用者の手元で、いつでもできることです。設定は会話単位で効くため、「この会話だけAutoにした」つもりが、その会話の中で後から頼んだ別の作業にも適用されます。
決めておきたいのは次の3点です。
- Autoを使ってよい業務の条件。たとえば、対象が専用の作業フォルダに限られる、外部への送信を含まない、結果を人が後から検証できる、といった条件です
- Manualを必須にする業務。公式の安全ガイドは、機微なファイル・アカウント・サイトに触れるとき、新しいツールやプラグインやサイトを初めて使うとき、送信や購入のように間違いを取り消しにくいときは、手動承認に切り替えるよう勧めています。この3条件は、そのまま社内ルールの文言に使えます
- 会話の分け方。Autoで回す定型作業と、Manualで進める作業は、会話を分ける運用にしておくと設定の取り違えを防ぎやすくなります
Autoについて、ヘルプは「操作の前に自動の安全チェックが走る」と説明しています。ただし、従来のCowork向けに書かれた安全ガイドは、承認を自動にするモード(「Automatically approve」と「Skip all approvals」)のどちらであっても、Claudeが作業の途中で悪意のあるコンテンツを読んだ場合、利用者が気づく前にその指示に従って動く可能性がある、と書いています。加えて、どのモードでも、実際の影響がある作業ではそばで確認し、おかしいと感じたらタスクを止めるよう勧めています。自動チェックは人の確認の代わりではなく、確認の頻度を下げたときの補助と捉えるのが妥当です。
一方で、Manualにしておけば安心、というわけでもありません。承認の回数が増えるほど、内容を読まずに許可する「承認疲れ」が起きます。どこに確認を置き、どこは事後の検証に回すかという設計の考え方は、次の記事で詳しく扱っています。
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メモ
業務で効く論点3: Docs・Slidesはベータ。置き場所と共有を先に決める
Claude Docs・Slides・Designは、会話の中で依頼すると成果物ができ、リンクで共有できる仕組みです。便利な半面、「会社の文書がどこにあるか」という管理の話に、新しい置き場所が1つ増えます。ヘルプで確認できるClaude Docsの仕様を見ると、先に決めておくべき点が見えてきます。
- 提供範囲: Pro、Max、Team、Enterpriseプランでベータ提供。Freeプランでは使えない。Pro、Max、Teamでは既定でオン(Settings > Capabilitiesでオフにできる)、Enterpriseでは既定でオフで、オーナーがOrganization settings > Artifactsで有効化する。Enterpriseではカスタムロールを使い、特定のグループだけに有効化することもできる
- 使えない構成: 顧客管理の暗号鍵(CMEK)、ゼロデータ保持(ZDR)、HIPAA対応の構成を使う組織では、まだ利用できない
- 共有範囲: ドキュメントは作成時点では本人のみに公開。TeamとEnterpriseでは、特定の人やグループ、または組織全体に共有でき、現時点で組織の外には共有できない。ProとMaxでは、リンクを知っている人全員に共有できる。共有されたドキュメントを開くにはClaudeのアカウントが必要
- 権限: 閲覧者と編集者の2段階。コメントのみの権限はまだない。名前の変更と削除ができるのはオーナーだけ
- 削除: 削除は取り消せない。ごみ箱はなく、共有先の全員が開けなくなる
- 書き出し: Word(.docx)、PDF、Markdown、Google Docs
- 既知の制限: バージョン履歴がない。グラフや図は、接続アプリのデータから作っても自動では更新されない。Compliance APIにはドキュメント自体のイベントは記録されるが、編集やコメントといったドキュメント内の操作はまだ記録されない。モバイルアプリでは閲覧はできるが、編集や共有設定の変更はできない
この仕様から、業務で先に決めておきたいのは次の点です。
- 正本をどこに置くか。バージョン履歴がなく削除も取り消せないので、現時点では、確定版をWordやGoogle Docsに書き出して既存の文書管理に置く運用が無難です。Claude Docsは、下書きと共同編集の場として位置づけるとすっきりします
- 個人プランでの業務利用。ProとMaxでは、招待した人だけに限る共有のほかに、「リンクを知っている人全員」への共有を選べます(開くにはClaudeのアカウントが必要)。会社としてTeamやEnterpriseを契約していても、個人のProアカウントで業務文書を作ってリンク共有する、という抜け道が生まれないかは確認しておく価値があります
- 監査の要件。ドキュメント内の編集履歴がCompliance APIに記録されない点は、変更の追跡が必要な文書(規程、契約関連、対外公表資料など)では制約になります
- 既存のOfficeやGoogle Workspaceとの住み分け。Slidesは公式ブログによればPowerPointまたはPDFで書き出せるので、社外に渡す最終版は従来どおりのファイルで管理し、たたき台づくりをClaude側に寄せる、という分担が現実的です
有効化の既定値は、3つの機能で共通です。統合のヘルプ記事からリンクされているアーティファクトのヘルプ記事(What are artifacts and how do I use them?)は、Claude Design・Slides・Docsはいずれも有料プランのみのベータで、Pro、Max、Teamでは既定でオン、Enterpriseでは既定でオフであり、オーナーがOrganization settings > ArtifactsでDesign、Slides、Docsをそれぞれ有効化する、と説明しています。同じ記事には、Slidesは各スライドを直接編集でき、Claudeの中で発表でき、PowerPointまたはPDFに書き出せること、iOS/Androidのアプリでは依頼と閲覧はできるが、テンプレートからの開始・編集・共有設定の変更はwebまたはデスクトップで行うことも書かれています。
一方で、Claude Slides単体のヘルプ記事は見つけられておらず、共有範囲や権限、既知の制限といった細部は当サイトでは確認できていません。Docsと同じ仕様だと決めつけずに、実際の画面と公式ヘルプで確認してください。なお、Claude Designの製品ページは「全有料プランに含まれ、管理者が組織設定で有効化する必要がある」と案内していますが、上記のヘルプ記事では既定でオフなのはEnterpriseだけです。Teamプランの管理者は、既定でオンになっている前提で、自組織の設定画面を確認するのが確実です。
成果物を仕上げるところまでをエージェントが担い、それが標準の画面に溶け込む、という流れはClaudeだけのものではありません。当サイトでは2026年7月に、OpenAIのChatGPT Workを同じ観点で取り上げました。製品ごとの優劣を論じる段階ではなく、どの製品を使うにしても「会話の入力欄から、ファイルと外部アプリに手が届く」ことを前提にルールを書く必要がある、というのが共通の論点です。
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Enterprise管理者が、通知からの30日でやること
Enterpriseの管理者には、組織に変更が入る少なくとも30日前に連絡が来る、と公式は説明しています。TeamとEnterpriseは当面、現行のチャットとCoworkのままです。
ここで正直に書いておくと、統合後の体験を管理者がどう制御できるのか(組織単位での適用時期の選択、統合そのもののオン/オフ、Autoの利用可否の制御など)は、統合のヘルプ記事には記載がありません。公式に確認できるのは、Docs・Slides・DesignについてEnterpriseの管理者が有効化のタイミングを選ぶこと(公式ブログ)と、この3つがEnterpriseでは既定でオフで、オーナーがOrganization settings > Artifactsで機能ごとに有効化すること(アーティファクトのヘルプ記事)までです。
現行のCoworkについては、Team/Enterprise向けのヘルプに管理者設定が載っています。Organization settings > CoworkでのCowork自体の有効/無効、クラウド実行の可否(Enterpriseは既定でオフ)、内蔵ブラウザの可否、「Automatically approve」モードを許可する設定(既定でオン)、コネクタの書き込みツールに対する「Always allow」を許可する設定(既定でオフ)などです。これらが統合後にどう引き継がれるかは未記載なので、推測で計画を立てず、通知の内容を待って確認するのが確実です。
そのうえで、通知を待たずに進められる準備はあります。
Enterprise管理者の準備チェックリスト
- 現行のOrganization settings > Coworkの設定値(Coworkの有効/無効、クラウド実行、内蔵ブラウザ、Automatically approveの許可、コネクタのAlways allowの許可)を記録し、なぜその値にしているかを言語化した
- 社内の利用ルールやマニュアルのうち、「チャット」「Cowork」というモード名を条件にしている箇所を洗い出した
- ルールの軸を、操作の影響度(回答のみ/読み取り/書き込み/取り消しにくい操作)に書き換える案を用意した
- Autoを使ってよい業務の条件と、Manualを必須にする業務を決めた
- 接続を許可するコネクタと、Claude Desktopでアクセスを許可するフォルダの方針を見直した
- Claude Docs・Slides・Designを有効化するか、するなら対象グループと、正本の置き場所・共有範囲のルールをどうするかを決めた
- CMEK・ZDR・HIPAA対応の構成を使っている場合、Claude Docsがまだ使えないことを関係者に共有した
- Coworkのグローバル指示を使っている利用者に、移行後はSettings > GeneralのInstructions for Claudeを確認するよう伝える準備をした
- 組織のオーナーや管理者として登録されているアカウントが現役の担当者のものであり、Anthropicからの連絡を見落とさない体制になっていることを確認した(通知の手段は公式に明記されていない)
- 通知が届いたら、統合後の管理者設定の有無と既定値を公式ヘルプで確認し、未記載の点はサポートに問い合わせる段取りにした
Pro/Maxプランを個人や小さなチームで使っている場合は、管理者設定がそもそもないので、ある日入力欄から「Chat」と「Cowork」の選択肢が消えた時点で切り替わっています。元には戻せないため、切り替わったらまず、Instructions for Claudeの内容と、入力欄の権限設定がManualになっていることを確認しておくと安心です。
現時点の制限と、向かない場面
公式ヘルプが「Current limitations」として挙げているのは次の5点です。
| 制限 | 内容 |
|---|---|
| Add from GitHub | サポートされていない |
| 会話の分岐 | 以前の時点から会話を分岐させる機能は使えない |
| シークレットチャット | 引き続き使えるが、従来の体験で開く。そのためファイルの作成やコードの実行はできない |
| 検索 | 古いCoworkタスクは検索結果に含まれない。検索の対象はチャットと新しい会話で、古いタスクはRecentsで名前から探せる |
| Dispatch | 新規ユーザーは利用できない。すでに使っている場合は、当面は使い続けられる |
これを踏まえると、次のような場面では新しい体験への切り替わりが不利に働く可能性があります。
- 会話の分岐を使って、同じ前提から複数の案を比較していた人。分岐が使えないため、前提をプロジェクトやInstructions for Claudeに置いて、別の会話で試す形に変える必要があります
- GitHubのリポジトリをチャットに取り込んで相談していた人。Add from GitHubが使えないので、コードに関する作業はCodeタブやClaude Codeの側で行うなど、経路を見直すことになります
- 記録を残さないシークレットチャットで、ファイル作成やコード実行まで済ませたい場面。現時点では両立しません
- 過去のCoworkタスクを検索で掘り起こす運用をしていた人。タスク名がわからないと探しにくくなるため、切り替わりの前に、重要なタスクにはわかりやすい名前を付けておくとよいでしょう
- 変更の追跡や版の管理が必須の文書を、Claude Docsだけで完結させたい場面。バージョン履歴がない現状では向きません
また、切り替えの時期を自分で選べず、元に戻せない、という点そのものが制約です。研修資料や社内マニュアルに画面のスクリーンショットを載せている場合、同じプランの中でも画面が違う人が混在する期間が数週間続く、という前提で案内を書く必要があります。
よくある質問
自分のアカウントが新しい体験に切り替わったかどうかは、どこで分かりますか
切り替わった後で、元のChatとCoworkに分かれた画面に戻せますか
これまでのCoworkのタスクや設定は消えますか
Autoにすると、確認なしで何でも実行されますか
Team/Enterpriseプランではいつ変わりますか
統合後の体験を、管理者が組織単位で制御する設定はありますか
Claude Docsで作った文書は、社外の人と共有できますか
利用上限の減り方は変わりますか
まとめ
今回の統合は、新機能の追加というより、利用者が「どちらで始めるか」を選ぶ手間をなくし、その判断をClaudeに移した変更です。業務への影響は、便利さよりも先に、ルールの前提に出ます。
- モード名で線を引いている社内ルールは、操作の影響度(回答のみ/読み取り/書き込み/取り消しにくい操作)で書き直す
- ManualとAutoは利用者の手元で切り替えられ、会話全体に効く。Autoを使ってよい条件と、Manualを必須にする業務を決めておく
- Docs・Slides・Designはベータ。正本の置き場所、共有範囲、既存の文書管理との住み分けを先に決める
- Enterpriseは30日前の通知を待つ間に、現行設定の記録とルールの書き換えを進める。統合後の管理者設定は未記載なので、推測で計画しない
- 会話の分岐やAdd from GitHubなど、現時点で使えなくなる機能がある。自分の使い方に当てはまるかを確認しておく
切り替えの時期は選べず、元にも戻せません。Pro/Maxプランで使っている人は、入力欄の表示が変わった日に、Instructions for Claudeと権限設定の2か所だけは確認しておくことをおすすめします。
2026年9月16日の統合の発表、Pro/Maxからの数週間かけた展開、Team/Freeが後続であること、Enterprise管理者への少なくとも30日前の連絡、Claude Docs・Slidesの登場とClaude Designの会話内利用、Slidesの直接編集・Claudeからの発表・PowerPoint/PDFでのダウンロード、3機能が有料プラン向けベータでEnterprise管理者が有効化のタイミングを選ぶこと、統合の理由の説明は、Claude公式ブログの記載に基づきます。同一プラン内で反映時期が異なること、元に戻せないこと、Manual/Autoの説明と会話全体への適用、実害のある作業での確認の推奨、Recents・Instructions for Claude・web検索トグルの廃止・/deep-research・Storage folder・Trusted foldersなどの移動先、5つの制限事項、利用量の注記は、公式ヘルプ「Claude Cowork and chat are one Claude」に基づきます。読み取り/書き込みツールの区別、プロンプトインジェクションの成立条件、手動承認に切り替える目安、スケジュール実行の注意は「Use Claude Cowork safely」、Team/Enterpriseが現行のままであることと既存の管理者設定は「Use Claude Cowork on Team and Enterprise plans」、Claude Docsの提供プラン・既定値・共有範囲・書き出し形式・既知の制限は「Get started with Claude Docs」、Design・Slides・Docsの3機能に共通する既定値(Pro/Max/Teamは既定でオン、Enterpriseは既定でオフでオーナーが機能ごとに有効化)、Slidesの機能、モバイルアプリでの扱いは「What are artifacts and how do I use them?」、Claude Designの対象プランと「管理者が組織設定で有効化する」という案内は公式製品ページに基づきます。Claude Slidesの共有範囲などの細部は確認できていません。操作の影響度による区分表、チェックリスト、向かない場面の整理は当サイトの見解です。いずれも2026年9月22日時点の確認内容で、今後変更される可能性があります。
出典・参考
- Claude Cowork and chat are now one Claude - Claude公式ブログ(2026年9月16日。統合の発表、Claude Docs・Slides、プラン別の展開)
- Claude Cowork and chat are one Claude - Claude Help Center(公式。できること、Manual/Auto、移動した設定、現時点の制限、利用量)
- Use Claude Cowork safely - Claude Help Center(公式。読み取り/書き込みツールの区別、プロンプトインジェクション、監督の目安)
- Use Claude Cowork on Team and Enterprise plans - Claude Help Center(公式。Team/Enterpriseは現行のまま、既存の管理者設定)
- Get started with Claude Docs - Claude Help Center(公式。提供プラン、既定のオン/オフ、共有範囲、書き出し形式、既知の制限)
- What are artifacts and how do I use them? - Claude Help Center(公式。Design・Slides・Docsの提供プランと既定のオン/オフ、Slidesの機能、モバイルでの扱い)
- Claude Design - Claude公式製品ページ(会話内からの利用、対象プラン、利用量の扱い)
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